『同じ物なら、誰から買うか』

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愛知県刈谷市に本社を置く株式会社ビルトゥアは、オムライス専門店「EGG BOARD」を愛知県に8店舗、岐阜県に1店舗展開する企業です。2024年、代表取締役の加藤大輔氏が独立開業してから25年目を迎えました。この会社と広報企画センターのお付き合いが始まったのは、約15年前。採用媒体を扱う数ある会社の中から選んだ理由は、当時の担当営業マンの、元気でヤル気があり親身になってくれる姿勢を気に入ったから。「どの広告代理店でも売っている物は同じ。だったら僕は好きな営業マンから物を買いたい」。打合せのアポイントを閉店後に合わせるなど、時間を惜しまない動きをしてくれたことも理由の一つでした。それから3年後に担当が田中さんに代わりましたが、現在もお付き合いが続いています。

加藤社長と田中さんは年齢が同じということもあり身近な感覚で話ができました。当時はいち営業マンだった田中社長のことを、「もともと完成度が高く仕事ができる人。その頃から幹部としての素養があり、経営者目線で話ができた。」と加藤社長は振り返ります。

まだ店舗数が少なく、企業としても過渡期にあった当時、採用は苦戦していました。加藤社長と田中社長は時には議論をし、試行錯誤を繰り返しながら採用活動に向き合ってきました。なかなか採用に至らない中で、加藤社長は一つの答えに辿り着きました。「採用できない理由の9割は企業側に問題がある。求職者へのアプローチの仕方が悪かったということだ」と、加藤社長は言います。求職者は何を求めているのか、何を提示すればいいのか、探りながら思考を進めたところ、「飲食業で店舗の主戦力となるアルバイトを採用するには条件面の充実が必要で、その点を前面に打ち出すことが有効だ」と気づきました。同規模飲食店の求人広告と差別化を図るためにも、勤務時間や時給、細かな業務内容を明記するようになりました。当時から、スタッフが笑顔で並ぶ写真を掲載したり、お店の楽しそうな雰囲気や働きがいをアピールしたり、そんな内容の求人広告が多く見られました。しかし、それは本当にアルバイトを探す人が求めていることなのか?と考えた加藤社長は思い切ってその路線から離れ、条件面を打ち出すことに切り替えました。また、募集の時点から業務内容を詳細に伝え、時には厳しい面もあると開示することで、求職者が持っているイメージと実際に働き始めてからのギャップがないよう努めました。マッチング精度を上げたことで無駄に面接時間を取られることもなくなり、応募者側も仕事のイメージがしやすいため、離脱者も減るようになりました。

飲食業はスタッフの入れ替わりが激しいというイメージがある中、ビルトゥアは人手不足のスパイラルから抜け出し、求職者側から選ばれる企業へと変わることができたのです。そこにはどんな努力があったのか、次号でお伝えします。

インタビュアー/株式会社Siren 菱田さつき

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