農業は毎年一年生

 
 広報企画センターが力を入れていく事業が、SNSを利用した採用活動です。今回は、採用と広報にSNSを活用していただいているお客様をご紹介します。
 
 井村食彩園様は、愛知県東海市と知多市で計6ヶ所の農園を経営しています。
主として作っているのは、いちじく、みかん、キウイなどの果樹ですが、他にも米や、オクラ、モロヘイヤ、豆類、瓜、さつまいも、里芋、カブ、大根など、様々な季節野菜を幅広く作っています。
これほど多くの種類を扱っている農家は珍しく、「井村食彩園」という名前の由来にもなっています。
米、野菜、フルーツと様々な食材で食卓を彩りたいという思いからこの名がつけられました。
最も力を入れているのは、いちじく(無花果)。夏が旬というイメージがあるいちじくですが、実は収穫時期は7月から11月と、長く楽しめる果物です。毎日ひと枝1個ずつ熟してくるというところから、「1熟」→「いちじゅく」と変化して、「いちじく」と伝えられる説があるほど、一気に実がならない作物です。
  
  現在代表を務める井村真道さんは、祖父母から農園を受け継いだ二代目。農業の道に入って今年で20年のベテランです。
以前は食品関係の企業に勤めていましたが、会社の方針と自分のやりたいことが合わないと感じ、退職しました。
転職先を探す期間、実家の農業を手伝っているうちに、農業も面白いかなと思い始めました。
当時周りからは、農業で食べていくのは難しいと言われましたが、売り方を考えればいけるのではないか、また、いずれは実家が持っている農地を誰かが継がなければならないという思いから、一念発起して農業に専念することを決めました。
  
 子供の頃から繁忙期は収穫の手伝いをしていた井村さんは、農業の大変さはわかっていました。
しかし、実際に始めてみるとこれまで知らなかった難しさがありました。
例えば、10個種を蒔いてもどれだけ収穫までたどり着けるのかが未知数であること。収穫できても見た目が悪いなど、商品にならないものもあります。10個のうち5〜6個収穫できたら良しとするのか、どうしたら10個収穫まで持っていけるのか試行錯誤するのが、農業の大変さであり面白さでもあることを実感しました。
農業は天候に大きく左右されます。
昨年のやり方が今年も通用するわけではありません。
予想もつかない病気が発生したり、原因がわからない現象が起きたり、これまで培ってきた経験と、毎年様子を見ながらやり方を変える柔軟さが必要です。
「農業は毎年が一年生という感覚ですよ」と井村さんは言います。
 この仕事をしていて嬉しいことは、食べてくださった方から「美味しかった」という声をいただくこと。
直接購入してくださるお客様から届く声が一番のやりがいに繋がります。現在は、卸販売が約7割、直販が約3割です。
卸販売は価格決定権がないので、今後は自分で値決めができる直販を増やしていきたいと考えています。
販路拡大と採用のために、新たに取り組んだのがSNSの活用です。
今後はどんな戦略を考えているのか、新たなチャレンジの内容は次号でお伝えします。
 
インタビュアー/株式会社Siren 菱田さつき
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