人を守るためにAIを活用したい

 警備業界でも若い人の採用が難しくなっている中、株式会社サンライズも例外ではありません。リーマンショック以降、仕事量と求職者という需要と供給のバランスが崩れたことや、薄利多売の風潮が広まったことなど様々な壁がありました。現在、警備業で働く人は高齢者の割合が多くなっており、若い人は集まらず高齢者もピークアウトしていけば、結果人手不足になります。

 採用が難しいからこそ株式会社サンライズでは、入社してくれた従業員さんたちに長く働いてもらいたい、という思いから『従業員が第一優先。日本一従業員に優しい警備会社』を掲げています。経営者と従業員では、どうしても見えている景色が違います。野口社長は、従業員目線で見て、従業員が心地いいと思える環境作りをしています。

 具体的には、なるべく対話をする時間を作ること。警備業は、基本的には現場仕事です。社長と従業員さんが顔を合わせることができるのは、朝と夕だけ。そこで、野口社長は自分も作業着を着て、出来る限り現場に出向くようにしています。「真夏などは特に、暑い中で皆が働いているのに自分だけ涼しい、なんてやり方は性に合わないんだよね」と野口社長は笑顔で話します。

 このような行動は、従業員の定着を目的に始めたわけではなく昔からやっていることであり、従業員との会話も増え結果として良いコミュニケーションでつながることができます。

「社長に対して言いたいことも言えなくなるような環境にはしたくない」と野口社長は考えています。

 今後、会社としてはAI の導入をさらに進めていきたいと考えています。交通整理などの業務は危険を伴います。特に夜間などでは事故が起きる可能性もあり、そういった危険な現場では人を立たせるのではなく、AIを活用していきたい。「人の命を守るために、社員の命をさらす」ことはさせたくない、との思いで進めています。そのうえで、これからの求人にあたっては、デジタル化に抵抗のない若い人も採用したいと考えています。

 一緒に働きたい人は「嘘をつかず、正直に話してくれる人」。警備業は人の命を守る仕事です。道路で旗を振る、この動作ひとつが安全と危険を左右します。こまかしたり適当でいいか、という思いは旗振りひとつにも表れています。『旗を振ることで命にかかわる』。野口社長が大切にしているこの言葉に、その思いが込められています。

 「警備業界を変えていきたい。いや変わらなくちゃいけない。」最後に野口社長がおっしゃった言葉に、従業員さんへを含めた全ての人の命を守るために業界を変えていくという覚悟が伝わってきました。 

インタビュアー/株式会社Siren 菱田さつき